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「りんご。」

やっぱりカミュはちょっかい出してくれたらいいな。
ミロとカミュのやり取りとか関係も好きなんだけど、
描きだす機会がなかったから今好き放題。

「りんご。」べたあまなミロ氷河の話。
追記へ。練習、練習。

ミロ9の

「りんご。」

ミロは最低限しか立ち寄ることがなかった食料品店に、ほぼ毎日のように立ち寄るようになった。
老主人が経営する小さな食料品店だが、カミュが食料品の買い物はここで、と決めていて何回か一緒に入った。
小さな店構えだが、割と何でもそろうし、小奇麗で、今は何より、食べることのなかった果物や野菜が新鮮で安いので、カミュと一緒に立ち寄ることもあれば、一人で立ち寄るようにもなった。
果物の並べられた一角へ行けば、甘い香りがする、今迄、気にも留めなかった香りだ。
この季節にしては珍しく、色つやもいい、大きなりんごに目が留まって、ミロは一つ手に取ってみた。
氷河は喜ぶだろうな、とぼんやり考えていると、紅い瞳がひょい、とミロの顔を覗き込んだ。
りんごの赤より、深い紅。
「何だよ。」
ちょっと驚いてミロが聞けば、カミュは真顔で答える。
「随分、締まりのない顔をしているもんだな、と思って。」
言い返しようのないミロの横で、カミュは一つ一つりんごを手に取って、自分のカゴには3個、ミロのカゴには次から次へと入れだした。
「おい!誰がこんなに食うんだよ!」
りんごを一つづつ戻そうとかごの中のりんごを掴んでも、カミュは次々と入れてくる。
「氷河が好きだろう。この季節にこんな新鮮なリンゴはそうないから買っておけ。」
それもそうか、とミロが戻しかけたりんごをかごに戻すと、カミュは可笑しそうに笑った。
「ここまで骨抜きになるとは思わなかった。」
「あ?」
ミロが睨んでも、カミュはまだ笑っている。
「いいじゃないか。私だって氷河は好きだ。誰かを好きになるって言うのは、そう悪いことじゃないと思うよ。残念ながら、私にはそこまで誰かを好きになった経験はないけど。」
「経験がないくせにどうして解る。」
「否定しない所も可愛いもんだ。」
可愛い、と笑われてミロはむっとカミュを睨む。
「・・・しいて言えば、氷河が好みかな、好き、と言うか。」
少し首を傾げてミロに視線を向けたカミュに、ミロは紅い挑戦的な瞳に、少し、不安を覚えた、カミュと氷河は食べ物の嗜好も似ているし、話も合うようなのを知っているからだ。
次の瞬間には、カミュはふきだした。
「冗談だ。・・・多分。」
一言、余計な言葉を付けたしてカミュは笑う。

紙袋一杯のりんごに氷河は驚いて、嬉しそうに、リンゴを一つ、手に取った。
「冬じゃないのに、大きくて綺麗。すごく甘い香りがする。」
両手でりんごを持った氷河は、キスでもするように顔に近づけたりんごを、ミロにも差し出した。
「そうだな。いい香りだな。」
嬉しそうに笑う氷河が好きだ。
ミロはりんごを見詰めている氷河の頬に片手て触れて、顔を上げた氷河にキスをした。
キスなんて毎日してるのに、まだ紅くなる氷河も好きだ。
じっとミロを見詰める氷河に、ミロはもう一度キスをする。
柔らかい唇を割って舌を絡ませ、氷河を抱き上げたとき、チャイムが鳴った。

少し間をおいて、Tシャツにジーンズに着替えたカミュが入ってきた。
「カミュ。」
ミロに抱き上げられたまま、氷河が笑いかけた。
カミュは笑い返して二人に近づくと、氷河の頬に軽くキスをした。
「ミロが馬鹿みたいにりんごを買って帰っただろう?氷河が切ってくれたら嬉しいんだけどな。」
嬉しそうに頷く氷河を見て、ミロはカミュを睨みながらそっと氷河を下ろした。

「ミロは相変わらず節操がなくて大変だね。」
フォークで刺したりんごをカミュはくるりと回して氷河に笑いかけた。
「節操がないって何?」
氷河もりんごをフォークで刺したまま、カミュを見た。
「何だ、節操なしって!」
ミロはカミュを睨んで、均等に切られたりんごを齧った。
「ここで抱こうとしたくせに。」
カミュはちらりとミロを見てりんごを齧る。
「タイミングよくきやがって。」
ミロがふい、と視線を逸らせば、カミュはミロの顔を覗き込んだ。
「おや?開き直るのか。」
ミロは軽く顔をしかめて二個目のりんごにフォークを刺した。
しゃりしゃり、黙ってリンゴをかじりながら二人のやり取りを見ていた氷河に、カミュは向き直る。
「ごめんごめん、節操がない、の話だけど、ミロが所構わず氷河にキスしたりそれ以上しようとするねって事。」
「そんな事、ない、と想う、けど・・・。」
少し紅くなった氷河に、カミュはにっこりと笑う。
「私が来てなかったら氷河はりんごを食べるより先にここでミロにキス以上の事されてたと思うよ?」
とんとん、とカミュはテーヴルを指先で叩いた。
紅くなった氷河は、カミュの指先を見て、今度はそっとミロを見た。
「本当?」
小さな声で聞く氷河に、ミロは視線をそらす。
「しない。」
「嘘付け。」
間髪を入れず、カミュが突っ込む。
「しないったらしない。お前も騙されるな。」
ミロが氷河にフォークで刺したりんごを向けると、氷河がこくこく、頷いた。
「もうちょっと遅く来ればよかったかな、そうしたら氷河もミロかわたしかどっちが正しいか解ったと思うな。」
氷河はちょっと考えている風だ。
すい、とカミュが手を伸ばして、氷河の首筋に触れた。
「?」
しゃり、とりんごを齧った氷河は口にりんごが入っているので、首を傾げてカミュを見た。
「キスマーク。次はどうなったのかな。」
「カミュ!」
紅くなって俯いた氷河と、睨みつけるミロを見て、カミュは可笑しそうに笑う。
伸ばした手でカミュは俯いた氷河の頭を撫でる。
「ごめん、ごめん。別に氷河を苛めたいわけじゃないんだ。氷河の事になるとむきになるミロが面白いから。」
氷河はそっとカミュを見る。
「それに、氷河の事は好きだし。苛めたいわけじゃないよ。」
にっこり笑うカミュに、氷河は嬉しそうに笑った。
「笑ってる氷河が好きだよ。」
カミュは穏やかな瞳を氷河に向ける。

玄関まで送りに来たミロと氷河を振り返って、カミュは手を振りかけて、思い出したように言った。
「ああ、そうだ。氷河、散々ミロを煽っちゃったから、気を付けて。」
解らないまま頷く氷河に、カミュは軽くキスをした。
「おやすみ、氷河。」

「ん!あ・・・!」
カミュが帰った後、お皿を片付けようとキッチンに向かった氷河の二の腕を軽く引っ張り、振り返った氷河にミロはキスをした。
「ミロ?ん!」
呼吸を整えようとしても、すぐミロに唇を塞がれ、激しく舌を絡まされ、氷河はきゅっとミロのTシャツを掴んだ。
「あ・・・。ん・・・。」
ミロに抱き上げられ、テーヴルの上に身体を倒された氷河は、大人しくミロのキスを受ける。
「さっきの続き。カミュが言ったことの方が本当。」
とんとん、とミロの指先がテーヴルを叩き、氷河は紅くなってミロを見上げた。
「節操なしだから、嫌だ?」
ミロに真顔で聞かれて、氷河は首を横に振った。
氷河がそっとミロに腕を伸ばして抱き付いて、ミロは苦笑した。
「節操なしでも、本当に好きだから。」
首筋にキスをすると、氷河はもう少し強くミロに抱き付いた。
「ミロ、大好き。」
節操なしで、その上嫉妬深いけど。
言うより、氷河の切ない声の方が早かった。
甘いりんごの香る中、ミロは氷河に深く、キスをした。

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