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「いんちき魔術師/冷たい月。3」

「いんちき魔術師/冷たい月。3」です。カミュも出ます^^;
続きへ。

BL苦手な方は開かないで下さいね・・・。
★拍手、拍手コメント本当に有難うございます^^!!嬉しいです^^!!★
三日月
★ミロの日カウント中^^v★

「冷たい月。3」

一時間ほど一人で天井を睨み付けて、ミロは溜息を吐いた。
どう考えても自分の八つ当たりだ。
ミロはベッドから降りて寝室のドアを開けた。
ソファに氷河はいない、ミロはしまった、と舌打ちをして残像を追う。
氷河にキスするカミュ、漆黒の翼に氷河を包んで、カミュが挑戦的な瞳を向ける。
消えてしまった二人。
もうこの部屋に残像はない。
ミロはカーテンを強く引きあけ、満月を睨んだ。
満月を鏡にする。
ミロは溜息を吐いて満月から瞳をそらした。
何も映らない。
そうだ、カミュは力も戻っていると言っていた。
カミュが氷河を連れて行った残像は、カミュがわざと見せたもの。
その後は何もわからない。
ミロはカーテンを閉めて、ソファに座り込んだ。
週末。
公園へ行こうと氷河と約束していた。
多分、カミュは氷河を返さない、いや、氷河が帰ってこない。
ミロはソファに横になった。
動くのも億劫で、指を鳴らして電気を消した。

「学校は行く気にならない?」
週末、カミュと何をするでもなく、氷河は窓から見える空を眺めていた。
月をぼんやり見上げる氷河にカミュが言うと、氷河は振り返って、少し首を傾げた。
「・・・・・・花屋さん、通らずに行ったり帰ったりできる・・・・・・?」
「ミロと会いたくない?」
カミュが夕食をテーヴルに並べる手を止めて氷河を振り返れば、氷河は少し俯いて、小さく頷いた。
「あの道を通らずには行けないだろう? 夕食、出来たからこっちにおいで」
困ったようにカミュが笑えば、氷河は頷いてカミュとそろってテーヴルについた。
たっぷりのミネストローネにパン、温野菜、昔も、カミュが作ってくれた気がする。
氷河は熱いミネストローネを飲んで、パンを齧った。
「ミロに会いたくないんなら学校は休むんだね」
カミュに言われて、氷河は顔を上げて、頷いた。
特にこれと言った会話もしないけれど、不思議と気持ちが落ち着いた。

夕食が終わると、カミュはコーヒーとホットミルクを作って、二人でソファまで運んで腰かけた。
「カミュが作ってくれるホットミルク、好きだった」
氷河がぽつりと言えば、カミュは静かに笑った。
「温めるだけだよ」
氷河はカミュを見て、少し笑った。
「昨日も言ってたけど、ミロと喧嘩でもするの」
カミュの言葉に、氷河はホットミルクから口を離してぽつりと言った。
「何かに怒ってるみたいだけど、よく解らない。ちょっと前から。喧嘩はしてないよ」
「人間に恋をすると傷つくだけだと言ったろう?」
カミュが首を傾げれば、氷河は悲しそうにカミュを見詰めた。
「私にもう一度ついて来ると言うなら、欲しい言葉は昔と同じようにあげる」
少し突き放すようなカミュの言い方に、氷河は少しの間カミュを見詰めて、小さく首を横に振った。
「あ・・・・・・!」
ことん、とカミュがマグカップを置いたのを見たつぎの瞬間には、手首を掴まれ、マグカップはかたん、と音を立ててテーヴルの上にミルクを零し、氷河はソファに押さえつけられた。
「・・・・・・何にもせずに、ここに居させてあげると想ってる?」
「カミュ、やめて・・・・・・」
泣きそうな顔で氷河が首を横に振れば、紅い瞳は氷河をじっと見詰めて、唇を塞いだ。
「・・・・・・!」
舌を絡まされ、氷河はカミュに押さえつけられた手首を振りほどこうと力を入れるが敵わない。
もがこうとしても、少し動かせた脚はすぐカミュの脚に押さえつけられてしまう。
「・・・・・・二回もすれば、あとは何回やったって同じだろう?」
唇を離して静かにいったカミュの言葉に、氷河は小さく首を横に振る。
「じゃ、ミロの所へ連れて行ってあげようか?」
首を傾げて笑うカミュに、氷河はもう一度首を横に振って、じっとカミュを見詰めているうちに、涙がぽつり、と零れた。
カミュは困ったように笑うと、氷河の身体を起こして、自分もソファに座り、氷河の頭を肩に抱いた。
「好きだよ、氷河。片づけるから、先におやすみ」
カミュが氷河の柔らかい髪にキスをすれば、氷河は黙って頷いて、カミュに連れられて寝室へ行った。
「片づけたら私も眠るから。氷河、好きだよ」
毛布にくるまった氷河の頭を撫でると、氷河は頷いて瞳を閉じた。

「こんばんは」
すい、と風が吹いて、ソファに横になるミロの前にカミュが姿を現した。
「ひどい顔だな」
カミュが嘲笑すれば、ミロはカミュを睨みながら身体を起こした。
「あいつは?」
「さあ」
カミュはキッチンに歩いて行くと、氷河のマグカップにドリップのコーヒーを開くと、冷たくなったままのポットを傾けた。
カミュが瞳をポットに向ければ、一瞬でポットの湯は沸き、コーヒーの香りが広がり、カミュはマグカップを持ってミロの隣に座った。
「氷河を傷つけるなと言ったのに、解らないやつだな」
熱いコーヒーを一口飲み、カミュがちらりと紅い瞳をミロに向ければ、ミロはソファに寄り掛かってカミュを睨んだ。
「別に傷付ける気なんてない」
「現に氷河は傷ついてる」
カミュはミロから視線を外してコーヒーを飲む。
「帰せよ」
「氷河が帰りたくないと言ってるんだから連れてくる気はない」
ミロが投げつけたクッションはカミュの身体をすり抜けて、カミュは何事もなかったかのようにコーヒーを飲む。
「私が出て来たくらいで氷河に当たるな、ガキくさい」
「当たってない」
「氷河がミロが何かに怒ってるみたいだけど解らない、と言っていたぞ」
カミュがちらりとミロを見ると、ミロは視線を逸らした。
「別に、怒ってなんかない。それよりさっさとあいつを帰せ!」
睨み付けるミロには視線も向けず、カミュはコーヒーを飲み終え、テーヴルにマグカップを置くと、立ち上がった。
「さっきも言ったろう? 氷河が帰らないと言っているのだから私のせいじゃあない。自分の行動をちょっとは反省するんだな」
カミュがミロの前に立って、軽く手を上げると、風が吹いて、カミュは消えた。
「むかつく」
手を振る様に笑ったカミュと、帰ってこない氷河と。

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