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「すきだよ。小説版」

縮小すきだよ
「すきだよ。(小説版)R-18」
ミロ狼×氷河羊
B5・¥300
★内容見本は続きを見て下さいね^^;★

「はじめてあった日。」

羊カミュの留守を見計らって、仔羊たちを食べようと家を襲ったのはいいが、狼ミロは、仔羊を一匹も食べなかったうえ、大きな置時計の中に隠れていた、一番小さな羊氷河を連れて帰ってしまった。
ミロに見付かって、ずっとべそをかいている氷河の頭を、ミロは屈み込み、慣れない手付きで撫でた。
すると、氷河が顔を上げ、不器用に撫でるミロの大きな手をきゅっと握って泣き止んだ。
「・・・・・・食べないの?」
ミロはまだ潤んだままの大きな瞳の氷河を見詰めて、間の抜けた返事をした。
「・・・・・・まあ、別の意味では」
氷河が手を握ったままなので、ミロはもう片方の手で、何となく、もう一度氷河を撫でた。
柔らかい髪はくしゃくしゃになったが、氷河は瞳を瞑り、嬉しそうに笑った。
すっかり怖がらなくなった氷河は、ミロに抱き付いて、小さな身体を摺り寄せた。
ぴこぴこ揺れる、真ん丸いしっぽを見ながら、ミロは、ぽんぽん、と氷河の背中を叩いた。

風の心地よい丘の上、寝そべったミロはふと空腹に気付き、横で座って日向ぼっこをしている氷河に声を掛けた。
「お前、何食べるんだ?」
氷河は辺りを見回して、少し駆けて行ったかと思うと、クローバーを持って来て、ミロに見せた。
「これ」
嬉しそうに笑う氷河に、ミロは呆れた。
「こんなもんばっかり食うのか? 羊ってのは?」
氷河は不思議そうに、頷いた。
「まあ、いいけど・・・・・・。何でもいいから沢山食って早く大きくなれ。今のままじゃ食べる所もねえよ」
ごろり、と背中を向けたミロの言った事が、理解出来たのか、出来なかったのか、氷河はしばらくミロを見詰め、手元のクローバーを見詰め、黙ってもぐもぐとクローバーを食べた。

夜が来て、氷河は家を恋しがって泣くだろうか、とミロは思ったが、氷河は当たり前のようにミロの隣に、ころり、と転がった。
「おやすみなさい」
にこっと笑われ、ミロは気が抜けた。
「ああ、おやすみ・・・・・・」
月の明るい夜だった。
氷河はすやすや眠り始めたかと思うと、ミロから少し離れた所へころころと転がって行き、結局、ころころ転がって帰って来て、ミロに擦り寄って眠った。
氷河のそんな様子をじっと眺め、ミロは、ぺろり、と氷河の鼻の頭を舐めた。
ぴこぴこ、耳が揺れ、氷河はさらにミロに擦り寄った。
ミロは、そっと、額をくっ付けて眠った。

「お前、家に帰りたい、とか思わないの?」
朝、クローバーをもぐもぐと食べる氷河に、ミロは聞いた。
「・・・・・・カミュのお友達でしょう?」
ミロは飲んでいた水に咽た。
「何でそうなるんだよ!」
口元を手で拭いながら睨み付けると、氷河は、ほやっと笑った。
「カミュのお友達だから、家も知ってたし、ぼくの事食べないのかなあ、と思って」
ミロは呆れた。
「・・・・・・幸せな奴だな」
氷河は、もぐもぐとクローバーの続きを食べ始めた。

                            終

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